読書感想;ミッドナイトスワン 原作 小説版 映画で衝撃受けた人全員に読んで欲しい1冊
今年一番の衝撃作だったミッドナイトスワンの小説版
ことし観た映画で一番の衝撃作でした。LGBTや児童虐待など踏み込んだテーマではありますが、そういったジャンルを超えて観る人の心を揺さぶる傑作。
私も恥ずかしくも映画館で泣きっぱなしになってしまいました。
一方、この映画はナレーションも説明的なセリフもないので、気になる点が多かったのも事実。小説版があったので迷わず手に取りました。
原作ではなくて、小説版
作者は映画の監督でもある内田英治さんです。出版は2020/7/8とありますので、映画の公開の2ヶ月ほど前なので所謂原作ではなくて小説も映画も同じクリエイターによる作品であることがわかります。
同じ作者なので、原作と映画の比較でどちらがいい悪いといった雑念がなく、素直に読めました。
映画を観た人全員に読んでほしい本
読んだあとの感想。
映画観た人は全員読んだほうがいい!
です。
なぜなら・・・
- ラストシーンの一果の行動なぜかはっきりする
- トランスジェンダーの方の苦悩、苦痛の訳がわかる
- りん、実花先生、早織、瑞貴のサイドストーリーがわかる
といった、おそらく観た方が気になっていたことが小説版ですと活字で表現されているからです。
読んで良かった点3つ
この作品を読んで良かった点を3点あげます。
ネタバレなしです。
1. この作品がもっと好きになった
小説版を読むと映画ではカットされたディテール多かったことがわかりました。
例えば瑞貴の存在は凪沙のなかでは、親友と言っていいほど大きく凪沙の潜在的な願望への影響が大きい存在でした。
りんと一果の友情も現代の中学生風なりにも強い思いがあったことがわかり、ストーリーに深みを与えてくれてました。
正直にいいますと、小説を読んでても数回涙が出てしまいました。
2.トランスジェンダーの方への理解の気持ち
映画では説明的なセリフ、ナレーションがなかったので正直なんでいつも凪沙がふらふらしているかや注射の意味も少しはっきりわかってませんでした。
また、トランスジェンダーの方々の世代によっての考え方の違いなどが分からず、改めて自分の理解のなさに気づかされました。
映画では表情だけで表現されてましたが、小説ではどういった感情なのか言及されており、少しなりにも理解が出来ました。
この作品を観て、Youtubeでトランスジェンダーの方の感想を観るなど自分なりに関心と理解の意識が芽生えるきっかけとなりました。
3.改めて俳優の方たちの演技の良さを再確認
小説で改めて分かったことが多かったのも事実ですが、一方で俳優の方の演技がこの小説の通りきちんと表現されていたことがよくわかりました。
例えば前半の一果は凪沙と出会ってしばらくは無言でした。
この無表情の演技が広島での荒れた生活の成れの果ての絶望から来ることが演技でも伝わっていたし、小説でもしっかりと描写されてました。改めて一果役の服部樹咲さんの演技がすごかったのを思い知らされました。
他、なぜ凪沙が家に帰ってきたときに号泣したかなどなど・・・
演者の皆さんの演技力を改めて思い知ることが出来ました。
最後に
改めて書きますが、映画を観た方全員に小説版をオススメします。
映画を観てない方は、とにかく今年一番の衝撃作です。ロングラン上映なので今からでも間に合いますので、ぜひご覧ください。