新卒、2~3年めの社会人の方に伝えたい ダメな質問の仕方 3選
一日の会話80%が質問を受け、それに答える男
私は某外資系企業のIT部門に所属し、社内のヘルプデスクや社内のITに関するプロジェクトの遂行などに従事しております。
私の業務中会話の80%が相手からの質問で、社内の重役から若い一般社員からITに関するさまざまな質問に答えています。
他の20%は何なんでしょうかね。。。挨拶とか、依頼とか
そんな私が質問をされる側の立場として、
こういう質問だと回答しづらいなとか、
こういう質問をする人は大丈夫だろうか?
と思われてしまう、質問のパターンをご紹介ます。
だめな質問の仕方
1.書いてる事を読まないで聞く
例:ネットワークのメンテナンスがあるってメールが来ましたけど、何時からですか?定時前だったら困るんですけど。
書いてあることを読まないで、電話してきたり話しかけてくるのは相手に無駄な時間を取らせてしまいます。
こんな質問される方の理由は
原因①忙しくて中まで読めないので口頭で説明してほしい、
原因②どうせ読んでも理解できないのでレクチャーをしてほしい
それでも結局回答は
「書いてあることを読んでほしい」
と回答するだけです。
①について例え自分が忙しいという理由だとしても相手の時間を奪って説明を求めることは失礼ですし、現実的には電話する時間があれば、数行の文章を読んだほうが早いはずです。
後者も同様の答えになってしまいます。しかし読まないでわからないと言われるのと読んでわからないという状態ではコミュニケーションで全然異なります。
とある新卒の社員とのメールのやりとり
新卒A氏:〇〇がうまく起動しませんでした。どうしたらよいですか?
私:操作Aを試してください。それでうまく行かなかったら操作Bを実施してください。
数時間後
新卒A氏:操作Aをやってみましたが、うまく行きませんでした。どうしたらよいか早急に確認をお願いします。
私:操作Bはやりましたか?その結果も教えて下さい。
新卒A氏:操作Bはやってませんでした。これでうまく行きました。
彼に関しては原因①なのか②なのかもわかりません。ただ彼の上司からは「わからないことはそのままにしないで聞け!!」と強く言われてるようで、とにかく思考する前に質問をしなくてはと思っているようです。
いち早く成長することを願ってやみません。
読んだ上での質問は歓迎
読んでもわからなかった上での質問はむしろウェルカムです。それはこちらの表現に改善点がないか、説明に不足があったかのフィードバックになるからです。
2.何を聞きたいかわからない
例;パソコンが使えなくて困ってます。業務に支障がでてますので確認をお願いします。
例を見ていただくと、困っている状況なのは伝わってもパソコンがどういう状況になっていることはわかりません。この情報量だけですと一発で答えは出せませんので、インタビューが必要になります。
電源が入らないのか
モニターが表示できないのか
ログインできないのか
キーボードやマウスが動かないのか
パソコンが遅くて使い物にならないのか などなど…
パニックになり、適切な対応がとれない
こういった質問をされる方は
①プロに質問しているんだから、(情報なんて与えなくても)答えは持っていて当然だろう
②こちらは被害者なので、情報を取る努力は回答者がすべき
というお考えのようです。しかし悪気はなくパニックになっていての結果だと思います。
共通の目的はいち早い解決
質問をするものも、受けるものも共通の目的は
「いち早く解決法を見出す」
ことです。
そのためには質問をする側も答える側が回答しやすくする配慮が必要です。
その配慮が「ヒント」となり、ソリューションを生み出すのです。
3.調べればわかることを聞く
例:iPhoneの電源の切り方はどうしたら良いですか。
現在、ほとんどの質問の回答は検索サイトで解決するといって過言ではないでしょう。
実際、社内のルールやシステムといった閉じられた組織の情報でなければGoogle先生が答えてくれるでしょう。
①質問に答えるのが、ヘルプデスクの仕事なので気軽に質問する権利がある。ネットにある、掲示板に載っているなどの回答はコミュニケーションの否定だ。
②ネットで調べた情報が正しいか判断が難しい。他人に聞いた回答であれば、判断する必要なく正しい情報だし間違ってても回答者の責任なので気が楽だ。
①は割と高齢の方に多い考えかもしれません。Face To Faceのコミュニケーションを大事にされていて、ITは便利ではあるものの空虚で寂しいものというイメージを持たれている印象にあります。
しかし、電話や呼び出しは相手の時間を奪う行為だということも忘れてはいけません。
②については、スキルやリテラシーに自信がない方にある傾向だと思います。毎回他人に答えをもらう習慣がつくと答え自体を覚えるのではなく、答えを貰う人を覚えているだけになってしまい自己成長を妨げてしまうことになります。
結局は回答する側もググっている
ここで知ってもらいたいのは回答をしている側も、ググって検索している内容を答えているという事実です。
プロだから全て頭に入ってて、それを回答している…とは限りません。
例にある質問「iPhoneの電源の切り方とは」の質問も実際は
「iPhone 8 電源 切り方」とGoogleの検索窓に打ち込んで出てきた回答を読み上げたりしてます。
これって、質問者の代わりにググってそれを声に出しているだけですよね・・・それだったら自分でもできませんか?
いい質問に変えるには
質問を書き出そう
まず一旦質問を紙やテキストエディタなどに書き出して見ましょう。
その場合に気をつけることは5W1Hのどれに当たるかを意識することです。
私のおすすめはA4用紙の紙に、箇条書きで5~6行程度になるように書き出すことです。
A4用紙なので、遠慮なく思いついたものが書けますし、大きさも少し大きめになるので感覚的にメモがとれるからです。
何を聞きたいか明確にする
5W1Hを意識して書き出すとわからないことが不明確だったのが、明確になります。
What:何のことを聞きたいのか
When:いつなのを聞きたいのか
Who:誰について聞きたいのか
Where:どこについて聞きたいのか
Why:理由について聞きたいのか
How:手段について聞きたいのか
これらを書き出せれば、わかることとわからないことが整理されるはずです。
質問する前にチェックする
書き出したら、わからないことが本当に手元にある情報に書いてないかをチェックしてください。
例えば、会議の案内に対して聞きたいことがあった場合、本当に場所や時間、など知りたいことが載ってないかどうか、全文を読んで確認してください。
また、一般的な事柄でしたら検索サイトなどで調べてわかることかどうかも確認してみましょう。
最後に
質問することは重要なコミュニケーションです。
しかし質の悪い質問は答える人の時間と労力を奪い、自分の信用も減らしかねません。
ですが、質の高い質問は、答える人にとっては良いフィードバックになり、お互いの成長にも繋がるコミュニケーションになります。
わからないことを放置することはよくありませんが、まず何がわからないか整理し、そこに手持ちの情報で足りない、もしくは確信が持てないことを確認してから質問してみましょう。